ピロリ菌検査

ピロリ菌とは

ピロリ菌は、胃の粘膜に感染し、萎縮性胃炎を引き起こします。この萎縮性胃炎の状態から胃癌が発生します。また炎症により、胃の防御機構が弱まり、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍になります。その他に、鉄欠乏性貧血との関連も言われています。

ピロリ菌は主に幼少期に口から感染します。井戸水や、親からの口移しで食事を食べることで感染すると考えられています。

ピロリ菌を治療することで、胃癌の発生を抑制することができ、また胃・十二指腸潰瘍にもなりにくくなります。

ピロリ菌の検査方法

数種類の方法があります。状況に応じて適切な検査を選択します。

内視鏡を使用する方法

胃カメラ検査時に、胃の粘膜の一部を採取して検査を行います。通常「ウレアーゼ検査」で行います。検査後1時間で結果が出ます。

内視鏡を使用しない方法

尿素呼気検査(紙袋に息を吹き込む検査)
血中・尿中ピロリ抗体検査
便中ピロリ抗原検査
内視鏡検査と併用することで、保険診療で検査可能です。

ピロリ菌の治療方法

内服による治療を行います(一次除菌治療)

内視鏡またはバリウム検査で「萎縮性胃炎」の結果と、ピロリ菌陽性の結果があれば保険診療で治療可能です。
ガイドラインで決められた方法で行います。
胃薬1種類と抗生物質2種類を、朝夕の1日1回、7日間内服します。
抗生物質の副作用で、下痢になることがあります。
また、まれにアレルギー(薬疹)がでることがあります。内服中は、禁酒禁煙を行います。

ピロリ菌治療後の判定検査(尿素呼気検査)

本当にピロリ菌の治療が成功しているかどうか、内服終了後1-2か月以上あけて判定検査を行います。
絶食した状態で来院し、特殊な袋に息を吹き込みます。
その後、錠剤を内服し、15分後に再び袋に息を吹き込みます。内視鏡検査は必要ありません。

 

  • 一次除菌治療不成功の場合、抗生物質の種類を変えて再度保険診療で治療を行います(二次除菌治療)
  • 二次除菌治療でも不成功の場合は、三次除菌治療を行います(自費診療です)。

院長は、消化器病学会専門医・消化器内視鏡学会専門医以外に、日本ヘリコバクター学会 認定医の資格も持っています。

ピロリ菌感染の指摘を受けた方や既に他の医療機関で除菌を試みたが失敗した方など、ピロリ菌に関するウ診療に積極的に取り組んでいます。ぜひ、お気軽にご来院ください。

Q&A

Q
ピロリ菌はどうやってうつるのですか
A
ピロリ菌は子供の頃、口から入って感染します。昔は井戸水からの感染が多かったのですが、今は衛生環境の改善にともなって井戸水からの感染はほとんどありません。

主な感染経路は、家族内感染です。
お母さんから子供、お父さんから子供などです。お母さんやお父さんから赤ちゃんへの口移しの食事は、感染の原因となります。大人同士では感染はありません。
Q
ピロリ菌治療は成功しないこともあるのですか?
A
ピロリ菌の除菌は、一次除菌で92.6%、二次除菌で98%と高確率で成功するとされています。(ヘリコバクターピロリ感染の診断と治療のガイドラインより)二次除菌でも不成功の場合は、三次除菌を行います(自費診療です)。
Q
ピロリ菌治療で成功した場合、再感染はしますか?
A
除菌治療後、再感染の報告はありますが、実際は再感染はほとんどないと思われます。再感染と思われているものは、効果判定の検査で偽陰性とでた可能性が高いです。