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過敏性腸症候群は、腸に潰瘍や腫瘍などの病気がないにもかかわらず、下痢や便秘などの便通異常や腹痛がある病気です。日本における有病率(人口中、その病気を持っている割合)は10~20%と報告されています。男性より女性に多く、年代別では20~40歳代に好発します。男性は下痢型が多く、女性は便秘型、あるいは下痢と便秘を繰り返す混合型が多く、発症時には何らかのストレスが関わっていることが多いといわれています。
便通異常があることと、最近3か月以内に1週間に一度以上腹痛があることが診断基準になっています。
便の状態により、①便秘型 ②下痢型 ③混合型 ④分類不能型に分類されます。
症状に応じて内服治療を行います。また生活習慣の改善も重要です。
規則正しい生活が排便のリズムを作ります。暴飲暴食、炭水化物や脂質の摂りすぎ、コーヒーやアルコール、刺激物などは避けましょう。便秘型の場合には、繊維の多いものを摂りましょう。下痢型の場合は、消化のよいもの、油っぽくないものを摂りましょう。
また、過敏性腸症候群と思っていたら、別の病気(潰瘍性大腸炎やクローン病など)が見つかることもあり、一度は大腸カメラで腸の粘膜を観察することをお勧めします。